午前2時ラパ。週末は毎日カーニバルかと言うようなカオス。五感を刺激するブラジリアンミュージックとカルチャーの震源地。眠らないカリオカ(リオデジャネイロ市民)の街リオデジャネイロを走る24時間バスでその場所へ繰り出す。
バスを降りる前から聴覚と視覚を刺激される。多くの人がイメージするコパカバーナやイパネマのいわゆるビーチフロントのリオデジャネイロとは風景が違う。セントロ(中心街)にありナイトクラブ、ライブハウス、バーが並びアンダーグランドな空気漂う。壁の落書きもアーティスティック。流行のEDMやR&Bに加え、サンバ、フォホー、ショーロといったブラジルらしい情熱のリズムを奏でる。ビキニとはまた違う情熱的なサンバの衣装や個性溢れるファンクなストリートファッションもリオデジャネイロにいることをこの上なく感じさせてくれる。
次に刺激されるのが嗅覚と味覚。広場には屋台が並ぶ。ブラジルを代表する料理シュハスコの食欲をそそる香ばしい匂いが流れてくる。ビーフ、ポーク、チキン、ソーセージなどを串刺し炭火で焼く。ブラジルならではのソースやパウダーをつけて豪快に頬張る。マンジョカという芋もブラジルならでは。焼きチーズの香りもたまらない。そしてブラジルのお酒と言えばカイピリーニャ。サトウキビを原料とするカシャーサというブラジルのスピリッツに砂糖を混ぜてライムを絞る。これがまたおいしい。ブラジルではおいしい料理とお酒を飲んでもうこれだけで幸せになれる。
触覚も常に刺激されている。秋とは言え南国のリオデジャネイロは夜でも半袖。人で溢れ返る広場もストリートもバーもクラブも肌と肌がぶつかり合う。情熱的なブラジリアンは人目をはばかることなく路上でもベンチでも熱いキスの嵐。手を握り腰に手を回し熱い抱擁。肩を組んでフラメンゴのチャントを歌っているサポーターもいる。ワールドカップの応援に来ている他国の旅人とも乾杯をする。アミーゴ(男友達)とは拳を突き合わせ、アミーガ(女友達)とラテンの挨拶はハグとキス。この挨拶の仕方は国・地方によって習慣が左の頬一回の場所もあれば左右二回する場合、リズムも微妙に違う。いろんな国を巡りその地元の人と挨拶をした時が旅をして移動してきたことを肌で感じる場面だ。
この空間の魅力は言葉では表現しきれない。間違いなく言えることは一晩でブラジルを体中で感じれたということ。アーティストとしての感性は研ぎすまされたということ。朝までハブクロールをして踊り明かしても足らずにまたこの場所には来るだろうということ。
ブラジルの治安については場所と時間と人による。Rioに限らずNYでもLONDONでも同じ。
一本道を入るだけで、扉を一つ開くだけで世界は変わる。昼と夜で違う顔を持つ。その人の経験、知識、能力、人脈などにより見える世界は違う。
ラパは旅人の直感と聞いた話を総合すると、慣れない日本人観光客や日本語のガイドブックやブログに頼った世界一周をしている旅行者には、犯罪の多さ、言葉の通じなさ、文化の違いと敷居が高い。外務省の注意喚起を頭にいれ、信頼できる地元の人に案内してもらい、早い時間帯なら安全に楽しめる。ミュージシャンならボーディーガードを雇ってでもフロアが一番熱い時間に訪れる価値があると思う。夜の本当の怖さを知りヨハネスブルグをオールナイトで楽しめた旅人ならストレスフリーで楽しめる。
Boa Sorte(ポルトガル語でGood Luckという意味)。
*注意
このブログの読者は情報の見極め方を知っていると信用し、ワールドカップ前で質問も多いためコメントを残したが、まだ来たばかりで街を熟知しておらず情報の信憑性や偏りに疑いをもってほしい。誰が書いているか分からないガイドブックよりは信用できると思う。
*追記 後日談を付け加えておくと、ブラジリアンに連れられてW杯後も含めブラジルで朝まで踊り通った場所の一つとなった。旅行者の多いW杯期間中と閉幕後のローカルな雰囲気はまたちょっと違う。少し離れた場所にはさらに無法地帯のエリアもある。
著者:Ken Utsumi #u23ken
『世界23周の旅』3周目中。未来の働き方・生き方に挑戦する。24歳のときトロントで起業。留学&就活を支援。未来法人U23代表CEO兼デザイナー。神戸生まれ、サッカー好き、旅人。