Tue, June 3rd, 2014
「Bom dia」とニテロイで朝を向ける。
ポルトガル語でGood morningという意味だ。ブラジルにいる幸せを感じる瞬間。
サンディエゴで生まれてはじめてホームステイしていた頃、ラジオから聞こえる英語のDJとホストファミリーの「Good morning」と言う声で目覚める朝に幸せを感じていたあの頃を思い出す。
今では日常となったあの頃の憧れの生活も、大学時代はどうすれば海外で暮らせるかよく考えた。正確に言うと貧乏旅行で世界を放浪する術なら知っていたので、どうすれば働きながら旅をできるか、もっと言えば時間とお金に縛られない自由な生き方ができるかと思いを巡らせた。
卒業旅行でバックパックを背負いユーレイルパスに乗って欧州リーグのサッカーを見ながらヨーロッパ一周をしたときその夢は決意へと変わっていった。脱線するので多くは語らないが”2001年: 欧州の旅”は今でもMy Best Odysseyの一つだ。
卒業後、新卒で海外事業部に憧れて入社した会社では短気ながらオーストラリアへ行き念願の職に就けた。同時に中を見てその会社が海外事業に力をいれる気がないこともわかった。まだその頃は自分が会社を変えてやると青い夢がないわけでもなかったし、ブラック企業と呼ばれる過酷な労働環境だが伸びていく自分が見えたので前向きに仕事は続けた。それでも2002年日本でのワールドカップ開幕戦を仕事で観れなかったので翌日に辞職した。
そしてたどりついた行き先はToronto。留学中にボランティアではじめた留学支援の仕事が起業につながった。”Futre Work”と名付けた未来の働き方をこの頃から実践し、当時は2003年頃でまだノマドワークという言葉が日本でも世界でも流行る前に、MacとiPadといっしょにOttawa, Montreal, Calgary, Vancouverと旅をしながら働いた。経験、資本、人脈すべて0からの創業だったが業界初のサービスや今までにないコンセプトは利用者の支持を得て留学革命を起こす。スタッフを雇い、カナダと日本で法人化する。決意は覚悟に変わった。
Future Workと呼ぶ《未来の働き方》は3つのキーワードで説明できる。1つ目は”Anytime, Anywhere, Anybody.” いつでも、どこでも、だれでもを目指している。2つ目は”Fun & Cool”。仕事はおもしろく、かっこよく。3つ目は”Be Crazy”。常軌を逸した挑戦を続ける人が世界を変えている。旅をしながら働くことは、これを体現したわかりやすいその例だ。
ブラジルの語学学校でそんな”Future Work”や世界23周の旅について話をした。彼らが学ぶオックスフォードの教科書にはCouch Serfingについて載っており、ワールドカップ前で宿不足を補う意味でも、ちょうどタイムリーな実体験を話すゲストとなった。国内でさえそれほど旅行をする機会が少ない彼らにとって興味は尽きずついに授業の内容を変更して教壇に立ち話をすることになった。この柔軟さがブラジルのいい所。キッズからハイスクール、アダルト、シニアまで現地のブラジル人向けの学校だが、他のクラスの生徒や学校の先生にも写真をせがまれたり質問を浴びせられ温かく迎えられた。ちょっと見学のつもりが翌日も登校することになり、ニテロイ滞在が延びるのであった。
新しい世界を見ようと語学を学ぶ生徒に、何か伝えることができたら嬉しい。
「Boa noite」(Good Night)
著者:Ken Utsumi #u23ken 『世界23周の旅』3周目中。未来の働き方・生き方に挑戦する。24歳のときトロントで起業。留学&就活を支援。未来法人U23代表CEO兼デザイナー。神戸生まれ、サッカー好き、旅人。