楽園ジェリコアコアラからは、サファリパークのアトラクションのようなオフロードカーで見送ってくれる。波乗りたちが見える砂浜でタイヤが踊る。屋根に載まれた荷物たちは振り落とされまいとしがみついている。赤ん坊の麦わら帽子は浜の香りがする風に吹き飛ばされる前に舞台裏へ下げられた。ジジョカで太陽が沈む頃にハイウェイバスに乗り換えアスファルトの暗闇をフォルタレーザまで走り抜ける。楽園の睡魔による演出は完璧で、太陽が堕ちるのを追いかけるように意識も落ち、都会の喧騒の出迎えにより二つの夢から現実に戻される。
バス停に着くとホストが待ってくれていた。一晩限りのフォルタレーザでのかなり遅めのディナーは、ココナッツウォーターとガーリックとオリーブオイルを和えてビーフを盛ったブラジリアンスパゲティ。翌朝はホストファミリーが日本の勝利を願って用意してくれたトロピカルフルーツたっぷりのブラジリアンブレックファスト。おじいちゃん、おかあさん、まご、いとこ、はとこ、おい、誰かの彼氏、近所のおばちゃん、水道屋のおじさん、朝から賑やかなブラジルのホームステイに心が和む。滞在時間は23時間。ブラジルのホームステイは本当に温かく迎えてくれる。ギュとハグをし、またいつか戻ってくるとレシフェへ発つ。
著者:Ken Utsumi #u23ken
『世界23周の旅』3周目中。未来の働き方・生き方に挑戦する。24歳のときトロントで起業。留学&就活を支援。未来法人U23代表CEO兼デザイナー。神戸生まれ、サッカー好き、旅人。