Yokohama(横浜):みなとみらい〜卒業の場所

2017.6.10 Sat

2018W杯ロシア・アジア最終予選日本代表vsイラク代表の旅Kick Off!

世界23周の旅ブログ

2002年5月31日、日本ではじめてのワールドカップが開幕した日、僕は新卒で入社した日本の会社を辞めた。はみ出しながらも走らされていた日本的レールからの卒業。

1年間で、兵庫から名古屋へ、オーストラリア出張を挟み、滋賀、静岡、そして最後の勤務地である横浜へ転勤。引越しのたびにダンボールの数を減って、最後は1つになっていた。最後の一箱とネクタイを捨て、相棒のバックパックを背負って2002年日韓ワールドカップの旅がキックオフ。

生まれ故郷の港町神戸とどこか似ている横浜は、何かを卒業して新しい門出を迎える場所なのかもしれない。奇しくも、15年後の今も、仕事と私事で一つの時代を卒業し、大きく舵を切る季節だった。そう、いつかのように。

そんな偶然とは思えないタイミングで横浜に向かったのは、地元の先輩の結婚式へ呼ばれたから。先輩は日本の企業に勤めるいわゆる日本の常識を持つ日本人だけど、非常識で生意気な後輩を「パンクな生き方しとるな。」と昔から応援してくれる。そんな日本企業で所長の先輩と日系航空会社へ勤めるお嫁さんの幸せに満ちたお手本のような結婚の宴は、普通の日本人らしく生きるのも悪くないと思わせる一方で、自分の生きる場所はここではない、時間は限られている、今を生きようと誓わせるものでもあった。

ギリギリまでお祝いし、久しぶりにあった旧友に別れを告げ、幸せな気分に包まれたまま、その足で羽田空港へ移動する。こういう時、予定時刻に到着する日本の交通機関はありがたい。預入荷物がなければオンラインチェックインと自動入国審査で1時間前の到着でも間に合う。目的地は、ラマダーン真っ只中(*1)のイランの首都テヘラン(*2)。数日前に国会が襲撃された同時テロ事件(*3)と中東のカタール断交問題(*4)で揺れる国。人にやさしくなり、自分と向き合うにはちょうどいい。2017年イランの旅キックオフ。

【解説】

(*1)ラマダーン・・・イスラム教徒は、約1ヶ月間、日の出から日没までの間、飲食を断つ断食(サウム)を行い、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人へ共感を育み、神の恵みに感謝する。2017年のラマダーンは5月27日から6月25日。イスラム暦は太陽暦で閏月の補正を行わないため毎年早まる。飲食だけでなく、禁煙や性交渉の欲、喧嘩や悪口などの忌避されること断ち、自分自身を清め信仰を強める。異教徒や旅行者、妊婦、幼児、病人などは、免除される。というのが表向きで、現実は地域、個人差により大きく異なる。地元の飲食店は営業を控えるが、観光客が宿泊するホテル内は通常に飲食できる。旅行者は、ラマダーン中の人に配慮し行動を慎むのがマナー。

(*2)イラクは内戦状態にあるため隣国のイランで開催される。

(*3)6月7日、テヘランで、国会議事堂とイスラム革命指導者のホメイニ師をまつる霊廟(れいびょう)が襲撃を受け、少なくとも12人が死亡した。

(参考:https://jp.reuters.com/article/iran-shooting-parliament-idJPKBN18Y0IG

(*4)6月5日、サウジアラビア、エジプト、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメンの中東5カ国は、カタールとの国交を断絶すると発表した。カタールがイスラム主義組織ムスリム同胞団などテロ集団を支援し、地域不安定化の原因を作っていると非難している。これにより、カタール航空でイランへ渡航する人は、航路の変更を余儀なくされた。

(参考:http://www.bbc.com/japanese/40156001

 

Special Thanks

Tashiro


執筆・撮影・編集

Ken Utsumi #u23ken

『World Odyssey: 世界23周の旅』5周目。2001年からノマドライフ。2003年トロント留学中に起業。Future Life/Work《未来の生き方/働き方》に挑戦し、海外留学・訪日外国人旅行・ドローン・Mac・クリエイティブ等を支援するエージェント、未来法人U23代表CEO/CDO。神戸生まれサッカー好き旅人。

 

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